ペット(犬・猫)に水道水は大丈夫?ミネラル、カルキ、それより注意が必要なPFAS(化学物質)について
犬、猫ともに大事な水分の摂取。その水分ですが、人と同じ「水道水」で大丈夫?という疑問を持ったことはないでしょうか?
今回は「水道水」が犬、猫のペットに適しているのか、また最近耳にするようなったPFAS(化学物質)についても考えていきます。
犬・猫に水道水は大丈夫なの?
犬、猫に水道水の水を飲ませることは問題ない(大丈夫!)と考えられます。理由については以下の内容より考えていきたく思います。
水道水には以下の「4大ミネラル」などの成分が含まれています。
- カルシウム
- マグネシウム
- カリウム
- ナトリウム
特にカルシウムは骨、歯を構成する大事な成分であり、ペットのライフステージに合わせて適切な量を摂取する必要があります。
一方で、カルシウムなどのミネラル成分の過剰摂取は消化器官に負担がかかり、体外への排出がしきれない場合は尿管内に結石や結晶を作る原因の一つとなります。
特に猫(ネコ)は注意が必要です。カルシウムやマグネシウムの含有量が少ない「軟水」のお水をあげることが望ましいと考えられます。
沖縄など一部の地域を除き、日本のほとんどの地域は「軟水」の水道水です。水道水を管轄している水道局のホームページなどで水質が公開されているため確認をしてみてください。
WHO(世界保健機関)の基準より
炭酸カルシウムの含有量 | 硬度の分類 |
---|---|
60 mg/L 以下 | 軟水 |
60~120 mg/L | 中程度の軟水 |
120~180 mg/L | 硬水 |
180 mg/L | 非常な硬水 |
WHO(世界保健機関)の基準では60mg/L 以下を軟水としていますが、日本においては0~100mg/Lを「軟水」、101~300mg/Lを「中硬水」、301mg/L以上を「硬水」として分けられています。
カルキは水道水に含まれる塩素の一種で、細菌やウイルスを殺菌し、水を安全に保つために使用されています。日本では飲料水の安全基準を守るために必要最低限の塩素が含まれています。
カルキは水道水に少量しか含まれておらず、ペット(犬・猫)、また人間が飲む場合でも安全とされていますが、独特の臭い(塩素臭)がすることもあり、犬、猫が人間よりも嗅覚が良いため、カルキの臭いを嫌がるケースが考えられます。
ただし、カルキが水を安全に保つため、給水器がお皿(ボウル)タイプの場合は、汲み置きしておく時間を考えると、カルキで殺菌、消毒されている水道水を給水することが望ましいです。
カルキを含む水道水では直射日光を避けることで3日程度は飲料用として利用することができますが、浄水器などでカルキを除去した水は消毒効果がないため、飲料用とする場合は「毎日」の汲み替えが必要となります。
ミネラルウォーターは?
ミネラルウォーターは「軟水」であれば犬、猫に与えても問題ないと考えられます。
軟水、硬水の判断は以下の表を参考にしていただき、実際に与えるミネラルウォーターが「軟水」であるかどうか、確認をしてみてください。
炭酸カルシウムの含有量 | 硬度の分類 |
---|---|
60 mg/L 以下 | 軟水 |
60~120 mg/L | 中程度の軟水 |
120~180 mg/L | 硬水 |
180 mg/L | 非常な硬水 |
WHO(世界保健機関)の基準では60mg/L 以下を軟水としていますが、日本においては0~100mg/Lを「軟水」、101~300mg/Lを「中硬水」、301mg/L以上を「硬水」として分けられています。
普段の生活でも馴染みのあるメーカーのミネラルウォーターについて硬度を調べてみました。
日本基準では「軟水」になるミネラルウォーターもありますが、mg/Lに含まれる硬度の数値が低い「軟水」もあるため、カルシウムやマグネシウムの含有量が気になる方はメーカーが開示している硬度を確認できると良いと思います。
水道水に含まれるPFAS(化学物質)とは?
ここからは今注目されている「PFAS(ピーファス)」について考えていきます。水道水のPFAS汚染についてNHKが特集※した影響もあり、PFASについて認知される人も増えてきているのではないでしょうか。
※NHKの特集:PFAS 人体への影響・健康被害の実態は “汚染源”を徹底取材 – NHK クローズアップ現代
「PFAS(ピーファス)」とは人工的に作られた有機フッ素化合物の総称です。自然環境や体内でほとんど分解されないため、「永遠の化学物質」とも呼ばれています。
このPFAS(ピーファス)ですが、食品包装材、耐水性のある服、非粘着性の調理器具、消火剤など、日常的に使用される多くの製品に含まれています。
PFAS(ピーファス)が工業廃水や埋立地から流出して、地下水や水道水に混入することがあり、多くの地域で水道水に微量のPFASが含まれている可能性が指摘されています。これが健康への影響を懸念される要因となっています。
PFAS(ピーファス)については国内外での規制が進んでおり、特にPFASの一種である「PFOS(ピーフォス)」と「PFOA(ピーフォア)」については規制対象物質とされ、根絶等の対策が採られています。
参考記事:PFAS相次ぐ汚染「安全な水だと思っていたのに」河川・水道水など全国マップ2種類で詳しく あなたの町は? | NHK | WEB特集 | 医療・健康
PFAS(ピーファス)の影響として健康被害がある可能性を指摘されています。海外の研究者からはさまざまな臓器に対して有害であるという見解もあり、人体の健康に影響があると言われています。
これは人だけではなく、愛犬、愛猫である「ペットの健康」にも影響があると懸念されます。特に人と比べて体重が軽いペットが多いことを考えると、人と同じ量のPFASを摂取した場合、相対的に影響が大きくなる可能性があります。
PFAS(化学物質)除去の方法について
健康被害の可能性があるPFAS(ピーファス)の除去ですが、水道水を煮沸(しゃふつ)消毒しても除去ができないため、浄水器を使用して除去する必要があります。
水道水が出る蛇口に取り付ける「蛇口直結型」の浄水器です。
製品の紹介ページに除去対象の物質の記載があるため、「PFAS」、または「PFOS(ピーフォス)」と「PFOA(ピーフォア)」が除去対象になっているか確認をしてください。
水道水をポット型の浄水器へ注ぎカートリッジで「ろ過」することでPFASを除去します。
ポット型浄水器のメリットは「持ち運びができる」ことです。食卓へ置くこともできるため利便性が高いです。しかし、専用のカートリッジで「ろ過」をする時間が必要なため、一定の時間を待つ必要があります。
商品を選ぶ際は製品の紹介ページに除去対象の物質の記載があるため、「PFAS」、または「PFOS(ピーフォス)」と「PFOA(ピーフォア)」が除去対象になっているか確認をしてください。
ウォーターサーバーを設置してPFASを除去する方法です。最近はウォーターサーバーに設置する水ボトルの宅配型ではなく、水道水を注いで使う給水型ウォーターサーバーも人気です。ウォーターサーバーに備わっているフィルターを通してPFASを除去します。
ウォーターサーバーの良いところは常温水だけでなく、「冷水」、「温水」も利用できることです。全国59か所の営業所でサポートしている「WATER STAND」が提供する「Pure Life(ピュアライフ)」のウォーターサーバーでは、冷水が4〜8℃、温水は約92℃で利用することができます。
冷水は冷たい水が飲みたい時はもちろんですが、お酒を割る際の冷たいお水にも利用できますし、温水は約92℃と高温のため、常温のお水を沸かすより時短になります。
月額料金がかかりますが、最低契約期間がないため、ウォーターサーバーを置いてみたいな!と考えていた人には導入しやすいウォーターサーバーになると思います。
まとめ
今回は愛犬、愛猫のペットに水道水を与えても大丈夫なのか?について考えてきました。
水道水に含まれるミネラル成分については、日本の水が「軟水」であることから水道水を与えて問題ないと言えますが、PFASについては水道水を浄水器で除去する必要があるため、私たちの普段の生活で飲むお水の影響、また人より体重が軽いペットへの影響を考えると、浄水器、またウォーターサーバーを利用について考える必要があると思います。
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