【猫の歯磨き】愛猫が健康に暮らせるように猫の歯磨きについて考える
愛猫の歯磨きは毎日できていますでしょうか?
2024年にリサーチしたペット保険『PS保険調べ』の調査では、猫の歯磨きを毎日すると回答したのはわずか「6.2%」だけ。
ほとんどしないと回答したのは「61.4%」となり、習慣的に猫の歯磨きができていないと考えられます。
猫の歯磨きは嫌がるから難しいイメージがあるよね。人と同じで、猫も歯磨きをしないと虫歯になるのかな?
猫の場合は「虫歯にならない」と言われており、人間と違い虫歯の心配はないと考えられます。
猫が虫歯になった例は世界的に報告がないと言われており、理由のひとつは口腔内(口の中)が「アルカリ性」であることです。人は猫とは逆で「酸性」となり、虫歯の代表的な原因であるミュータンス菌が酸性を好み、その菌が歯を溶かします。
では、なぜ毎日の「歯磨き」が必要なのか?虫歯より恐ろしい病気を予防するためです。
虫歯より恐ろしい病気とは?
虫歯より恐ろしい病気それは「歯周病」です。
歯周病とは、歯垢(プラーク)の中の細菌により歯肉に炎症を引き起こし、歯周病が進行することで歯を支えている骨を溶かしていく病気のことです。歯はもちろんのこと、歯肉の血管を通して毒性物質が全身に入り、様々な病気を引き起こす原因になると言われています。
健康な生活を送るためには食事が大切になり、猫の歯を守ることは大事なのですが、歯周病は歯以外の病気の原因になる可能性があるため、猫が長く健康で過ごすためには習慣的な「歯磨き」が必要だと言えます。
また猫は口腔内がアルカリ性であり虫歯にならないと記載をしましたが、アルカリ性は歯垢を歯石にしやすい傾向があります。人(酸性)よりも歯石になる日数も短いと考えられるため、「歯周病」の原因となる歯垢、歯石を作らないために、やはり歯磨きが大事になります。
「猫の歯磨き」どうすればいいの?
リサーチ結果では60%以上が歯磨きを「ほとんどしない」と回答しており、その理由のひとつに猫が歯磨きを嫌がることがあげられるのではないでしょうか?
ここからは嫌がる猫に対しての歯磨きの方法について考えていきたく思います。
歯磨きの前に、まずは猫のお口周りを触ることに慣れてもらう必要があります。
猫がリラックスしているタイミングを見て、声をかけながら口周りをなでるようにします。ウェットタイプのおやつ、猫用の歯磨きジェルを指につけて、口周りのタッチに慣れさせることも良いと思います。
少しずつ慣れてきたら猫の唇をめくるようにして、口の中に指を入れて歯や歯ぐきに触れてみましょう。触らせてくれた時は愛猫を褒めてあげましょう!
ウェットタイプのおやつは余計な添加物が含まれていない商品がおすすめです。以下の記事では有名メーカーのおやつ用ピューレで気になる原材料について調べましたので参考にしてみてください。
ウェットタイプのおやつは余計な添加物が含まれていない「ねこぴゅーれ」が良いと思います。国産メーカーが展開する安心の商品です。
歯磨きジェルは愛猫が好む製品が良いと思います。市販の歯磨きジェルだとLIONのPETKISSの製品は手に取りやすい商品ではないでしょうか。
動物病院向けのオーラルケアシリーズとして展開するプレミアムシリーズの商品もあります。
指で口周りに触られることに慣れた次のステップとして、指に近い感触で猫の抵抗感も少ない「歯磨きシート」に挑戦してみましょう。歯磨きシートを指に巻き付けて、猫の歯や歯ぐきに優しく触れて磨いていきます。
ここでも愛猫が上手に歯を磨かせてくれた時には、いっぱい褒めてあげましょう!
おすすめの商品は市販だとLIONのPETKISSの製品が手に入りやすいかと思います。
歯磨きシートは磨くのではなく「拭き取る」になるため、あくまでも簡易的な歯磨きになります。歯の外側は磨けると思いますが、歯の内側、奥歯を磨くには「歯ブラシ」を使う必要があります。
猫の歯ブラシはヘッドが小さいものが使いやすく、毛先が柔らかいものを選びましょう。上記のステップと同様に、まずは歯の表面の歯磨きからスタートします。嫌がる時は、歯磨きジェルなどを使い、なでるように歯の表面に歯ブラシをあてていきます。
次のステップは歯の外側を磨いていきます。歯肉(歯周ポケット)にそって小刻みにブラシを動かします。慣れてきたら歯垢が付きやすい上アゴの臼歯を重点的に磨きましょう。
最後は歯の内側を磨いていきます。歯の裏側、下アゴの臼歯に歯ブラシをあて磨いていきます。
マインドアップの猫用歯ブラシはヘッドが小さく、柄に対して先端箇所が15°傾斜しているので操作性が良いことが特徴です。
歯磨きジェルとのセット商品も用意があります。
歯磨きジェル、歯磨きシートでも紹介したLIONのPETKISSでは指サック型の歯ブラシが販売されており、歯磨きシートのように指を入れて磨くタイプの歯ブラシがあります。
またプレミアムシリーズとして展開しているベッツドクタースペックでは、ペットの歯周状態で選べる3タイプの歯ブラシがあります。
歯磨き以外のケアについて
ここまでは猫の歯磨きの方法について考えてきましたが、どうしても「歯磨きができない!」というケースがあると思います。その際、少しでもデンタルケアができるように、「歯磨き用のおやつ」、「歯磨き用のおもちゃ」を使う方法も考えられます。
歯磨き用のおやつは、おやつを噛むことで歯の汚れを落とすという考え方です。猫が好む味付きの商品があり、まさに「おやつ」という扱いでデンタルケアをすることができます。ただし、あくまでもデンタルケアの一環であり歯磨きではないため、どうしても歯磨きが難しい時の方法になります。
主原料は自然素材を使用しているグリニーズの歯磨き用おやつです。
LIONのPETKISSから販売されている歯磨き用おやつです。スティック型でチューブ形状になっており、歯に食い込みやすい形になっているのが特徴です。
歯磨き用のおもちゃについても、おもちゃを噛むことで汚れを落とすデンタルケアとなります。
ねずみ型のぬいぐるみを噛むことで、繊維の中に歯が入り汚れを取り除くという考え方です。おもちゃに触れると音が鳴り、猫が興味を持つように設計されています。
おもちゃに興味を持ってもらうため、猫が好きなまたたびスプレーを一緒に使う方法もあるかと思います。
まとめ
今回は猫の歯磨きについて考えてきました。猫は虫歯にはならないものの、歯だけではなく全身の疾患についても影響する可能性がある「歯周病」を防ぐためにも、習慣的な歯磨きが必要です。
いきなり歯ブラシを使用した歯磨きは難しいため、普段から口周りを触る練習をする、少しづつお口の中を触れるようにトレーニングする必要もあります。
愛猫が健康で元気に毎日を過ごすためにも、日々のデンタルケアに意識して取り組みましょう!