日本犬ってどんな犬?何種類いるの?日本犬の「歴史・特徴・性格」解説
皆さんは日本犬って言われたらどの犬を想像しますか?
実は意外と知られていない日本犬の種類!さっそく見ていきましょう!
日本犬とは?
日本犬とは、日本を原産国とする犬の総称です。その姿は数千年前からほとんど変わっておらず、古くから日本にいる犬たちを「和犬(わけん)」と呼びます。現存する和犬は、1934年に日本犬保存会協会が定めた「日本犬標準」に該当しているたったの6種類だけです。 そして国の天然記念物にも指定されています。
日本犬の種類は?
現在、日本犬は6種類います!一体どんな犬がいるのか見ていきましょう!
- 秋田犬(あきたいぬ)
- 甲斐犬(かいけん)
- 紀州犬(きしゅういぬ)
- 柴犬(しばいぬ)
- 四国犬(しこくけん)
- 北海道犬(ほっかいどういぬ)
秋田犬(あきたいぬ)
秋田犬(あきたいぬ)は、秋田県原産の日本犬の一種です。秋田犬はその中でも唯一の大型犬です。祖先犬は、奥羽山脈一帯で熊の狩猟に使用されていた「秋田マタギ犬(岩手犬)」と呼ばれるマタギ犬で、江戸時代までは大館地方の※マタギが飼育していたことから、「大館犬(おおだていぬ)」とも呼ばれていました。【1931年(昭和6年)7月に国の天然記念物に指定されました】※日本の東北地方・北海道から北関東、甲信越地方にかけての山間部や山岳地帯で、伝統的な方法を用いて集団で狩猟を行う者
- 大型犬で体はがっしりとしている
- 被毛はダブルコート(硬く長い毛と、柔らかく短い毛の二重構造の被毛)
- 毛色は赤、白、虎、黒、胡麻、斑など。このうち胡麻毛と黒毛は絶滅状態になっている
- 闘犬や狩猟犬として飼育されていたため、身体能力が高く、力が強い
秋田犬は飼い主にとても忠実で、番犬としてとても優れています。普段は知的で温厚な性格ですが、警戒心とてもが高いので、見知らぬ人間や他の犬に対して攻撃性が強く、威圧的な態度をとってしまうこともあります。
甲斐犬(かいけん)
甲斐犬(かいけん)は、山梨県・南アルプスを中心とする甲斐地方原産の日本犬の一種です。東南アジア地方から狩猟民族と一緒に渡ってきたと言われています。山梨県の山岳地帯で狩猟犬として活躍しました。他の日本犬種よりもルーツが古いといわれています。そして甲斐犬には、すっきりした四肢を持つ「鹿犬型(しかいぬがた)」と、ずんぐりした体型を持つ「猪犬型(ししいぬがた)」の2つのタイプがあります。しかし、現在は鹿犬型のみが生息しており、猪犬型は絶滅したと言われている【1934年(昭和9年)1月に国の天然記念物に指定されました】
- 体は筋肉質でがっしりとしている
- 耳は三角形の肉厚な立ち耳
- 被毛はダブルコート(硬く長い毛と、柔らかく短い毛の二重構造の被毛)
- 毛色は黒虎、中虎、赤虎の3色
- 尻尾は丸まっている「巻き尾」、または前のめりになりピンとまっすぐになっている「差し尾」
甲斐犬は、猟犬として活躍してきた歴史を持っているので、勇敢で冷静な性格です。そのため、知らない人には強い警戒心を見せます。しかし、信頼している飼い主の前では、甘えん坊な一面も見せてくれます。そして、甲斐犬は飼い主以外の人間には心を開かず、飼い主に一生忠誠をつくすことから一代一主の犬と言われています。
紀州犬(きしゅういぬ)
紀州犬(きしゅういぬ)は、三重県から和歌山県原産の日本犬の一種です。狩猟犬として繁殖されてきました。「那智犬(なちいぬ)」「太地犬(たいじいぬ)」「熊野犬(くまのいぬ)」「奥吉野犬(おくよしのいぬ)」など、その土地の名前で呼ばれていたこともあるそうです。しかし現在は紀州犬として1種類に統一されています。【1934年(昭和9年)5月に国の天然記念物に指定されました】
- 体は筋肉質でがっしりとしている
- 被毛はダブルコート(硬く長い毛と、柔らかく短い毛の二重構造の被毛)
- 毛色は白、赤、胡麻の3種類あり、約95%が白色
- 尻尾は丸まっている「巻き尾」、または前のめりになりピンとまっすぐになっている「差し尾」
落ち着いた性格で忍耐強く、飼い主にとても忠実で、知らない人には警戒をする性質を持つため、番犬に適しています。警戒心が強いので、飼い主以外には懐きにくいです。
柴犬(しばいぬ)
柴犬(しばいぬ)は、日本原産の日本犬の一種です。日本犬の中で唯一の小型犬です。「しばけん」とも言われています。柴犬の歴史はとても古く、縄文時代に人間と一緒に暮らしていたと言われています。現在日本で飼育されている日本犬種6種のうち、柴犬は約80 %を占めていると言われています。【1936年(昭和11年)12月に天然記念物に国の天然記念物に指定されました】
- 耳は小さな立ち耳
- 被毛は短毛でダブルコート(硬く長い毛と、柔らかく短い毛の二重構造の被毛)
- 毛色は赤、黒、白、赤胡麻、黒胡麻(胡麻毛は色の組み合わせが繊細で生まれる確率が低い)
- 尻尾は丸まっている「巻き尾」
柴犬はとても賢くて我慢強い強い性格です。飼い主に対してとても忠誠心が高いため、警戒心が強く、飼い主以外の人には懐きにくいです。
四国犬(しこくけん)
四国犬(しこくけん)は、四国地方(主に高知県)原産の日本犬の一種です。昔は「土佐犬(とさいぬ)」と呼ばれていましたが、※土佐闘犬との混同をさけるために、四国犬と改称されました。もともとは高知の山岳地帯に生息しており、「ヤマイヌ」と呼ばれていた野犬が祖先犬であると言われています。猟師がこれらを飼い慣らして猟犬として育てたことが始まりであったようです。【1937年(昭和12年)6月に「土佐犬(とさいぬ)」の名称で国の天然記念物に指定されています】※幕末から明治維新にかけて、闘犬競技のために、土佐犬(とさいぬ) とブルドック、マスチーフ等を交配してつくられた品種
- 耳は立ち耳
- 体は筋肉質でしっかりしている
- 被毛は短毛でダブルコート(硬く長い毛と、柔らかく短い毛の二重構造の被毛)
- 毛色は胡麻、赤、黒褐色の3種類、胡麻が大半を占めている
- 尻尾は丸まっている「巻き尾」、または前のめりになりピンとまっすぐになっている「差し尾」
飼い主に対しては非常に忠実です。しかし、それ以外の人にはなかなか心を許してくれません。警戒心がとても強く、縄張り意識が高いため、攻撃性が強い傾向があります。
北海道犬(ほっかいどういぬ)
北海道犬(ほっかいどういぬ)は、北海道で飼育されてきた日本犬の一種です。縄文時代初期に、縄文人が東北地方から北海道へ渡る際に同伴したマタギ犬が北海道犬のルーツとも言われています。アイヌの猟犬としての歴史が長く「アイヌ犬」とも呼ばれています。【1937年(昭和12年)12月に国の天然記念物に指定されました】
- 耳の形は三角形の小さな立ち耳
- 目の形は目尻が吊り上がった三角形の小さな目
- 尻尾は丸まっている「巻き尾」、または前のめりになりピンとまっすぐになっている「差し尾」
- 被毛はダブルコート(硬く長い毛と、柔らかく短い毛の二重構造の被毛)
- 毛色は赤、白、黒、黒褐色、虎、胡麻、狼灰など
北海道犬は聴覚や嗅覚がとても優れています。そして、野生感が強く、怖いもの知らず。気性が荒く頑固な一面もありますが、飼い主にとても忠実です。
おまけ情報
皆さんは日本の国犬がどの犬種なのか知っていますか?
国犬とは?
国犬とは、その国を代表する犬種のことです。
例えば、日本の国鳥ならキジ、日本の国花なら桜と菊など、日本の国犬ならこの犬種!というものがあります。主にその国原産の犬種が選ばれていますが、公認の国犬がいない場合は、犬の愛好家が国犬を仮公認していることが多いようです。
日本の国犬と聞くと、柴犬などを想像される方が多いのではないでしょうか?
しかし、実は違うんです!
日本の国犬は狆(ちん)なんです!
まさか狆が日本の国犬だったなんてびっくりですよね!
諸説はありますが、狆は奈良時代に誕生した愛玩犬種で、江戸時代「犬公方(いぬくぼう)」と呼ばれた5代将軍徳川綱吉の時代に、江戸城でお座敷犬、抱き犬として飼育されていました。
- 耳は苗に倒れた垂れ耳
- 大きな丸い目
- 被毛は長い
- ぺちゃ鼻
狆はもともと愛玩犬として人のそばで暮らしていたため、飼い主さんのことをよく見て行動します。賢く、おとなしく、穏やかな性格です。